【プロフィール】スバル R2
スバル R2を新車で買い10年以上乗ってきたボクがおすすめする3つのメリットを紹介する。
スバル R2は過去にスバルが自社生産していた軽自動車だ。
販売は2003~2010年まで行われた。
そしてR2が使うプラットフォームがスバル最後の軽自動車となった。
派生モデルに2ドアのR1、トールタイプのステラがある。
2019年現在、スバルで販売されている軽自動車群はすべてダイハツのOEM車となる。
スバル R2が販売されていた頃のスバル軽自動車群は以下の特徴があった。
スバルR2はトールタイプの軽自動車(スズキ ワゴンRやダイハツ ムーブ)全盛のなかデザイン優先のスタイルで発売。
しかしトールタイプに慣れ始めた消費者は車内空間を犠牲にしデザイン優先としたR2には響かず販売で苦戦、トールタイプのステラを発売することになる。
しかしトールタイプのステラはデザイン優先のR2をベースとしているためライバル以上の車内空間アドバンテージを持つことができずにこちらも苦戦。
軽自動車撤退の一因となった。
軽自動車は女性が乗る比率が高い。
そんななかで先ほどあげたスバルの軽自動車の特徴はさほどアドバンテージとはならないのかもしれない。車内空間が広いほうがわかりやすいのだろう。
現に2019年現在、こういったスペシャリティ要素を売りにしているホンダ N ONE、ダイハツ キャストは販売台数を落としてきている。
しかしボクはメカ的にこの車を買ってよかったと思っている。
スバル 軽自動車の特徴がそのまま3つのメリットとなる。以下をみていただきたい。
【メリット①】軽自動車では希少な直4エンジン
軽自動車では圧倒的に直3エンジンが主流だ。
2019年現在、中古車で買える直4エンジン車はボクの記憶ではスバルの軽自動車群のR2、R1やステラ(初代)、プレオ、サンバーなどのEN型エンジン。
ダイハツ 初代コペン、三菱 パジェロミニ。そしてダイハツ ムーブのターボグレード(3代目)が
中古で買える直4エンジンモデルだ。
スバル車以外ではターボモデルの比率が高い。
軽自動車の排気量は660ccと決まっているため3気筒ならば1気筒当たり約220ccとなるが4気筒ならば1気筒当たり約165ccとなる。
ざっくりと言うと4気筒モデルでは1気筒当たりの爆発力が弱いため初速の加速時にパワー不足を感じやすい。
だからターボチャージャーに頼るクルマが多くなるのだ。
スバル R2はターボではなくより安定的にパワーが得られるスーパーチャージャーを採用している。
余談だがスーパーチャージャー無しの自然吸気でもSOHCとDOHCのラインナップがあった。
では、4気筒のなにが良いかというと高速巡航時だ。
ボクは10年以上R2と付き合ってきたが60~80km前後の車速のフィーリングは3気筒モデルより明らかに良い。
さらに回転数を上げていけばそれがより顕著になってくる。
最近の軽自動車は快適装備や予防安全装備などがコンパクトカーを上回ることもあるが、ことエンジンフィーリングになると排気量以上に気筒数の違いにより上質感を損なっている印象が強い。
パワーとコストを求めればメーカーは3気筒に行き着くのはわかる。
現在、軽4気筒モデルは絶滅しているがまだ中古車では直4モデルを選べる。
軽直4モデルを選ぶときに注意点がひとつある。
自然吸気(NA)では初速時に非力感があることだ。
解決策はメリット③を読んでいただきたい。
NA、スーパーチャージャー車ともに中高速域にいけば3気筒にはない気持ちの良いフィーリングが味わえる。
ぜひ直4のフィーリングを味わってほしい。


【メリット②】4輪独立懸架による路面追従性
多くの軽自動車で採用されているのが トーションビーム式サスペンションだ。
呼び名や細かい機構はあるが、ざっくり言うと後輪を車軸と呼ばれるビーム(パイプというとわかりやすいか)で結んだもので後輪の片輪が動けばもう片輪も何かしらの影響を受ける。
スバル軽自動車群は独立懸架と呼ばれる後輪を1輪毎に上下させる方式をとっている。
どちらが良いというものではないが、走りに関しては独立懸架の方が様々な路面コンディションに対応できる。
単純に1輪づつ路面に沿ってサスペンションのストロークが独自に働くからだ。
デメリットとしてはサスペンションストロークを確保するために後輪タイヤハウスにさらにサスペンション分のスペースを確保する必要がある。
トーションビーム式は軽自動車だけでなくボクのアルファードにも採用されているが、メリットはサスペンションスペースを確保する必要がなく車内空間を圧迫しないことだ。
デメリットは車軸が固定されストロークも独立懸架ほどに大きく取れないことから、タイヤに大きな入力があった場合に車体が大きく横揺れしやすい。
つまり独立懸架のほうがどんな路面状況でも快適に乗ることができるということだ。
スバル車(OEM車を除く)ではすべてに独立懸架を採用している。
ぜひ上質な乗り心地を味わってもらいたい。
【メリット③】スーパーチャージャー車の加速感
スバルの軽自動車はターボではなくスーパーチャージャーを採用している。
ターボがエンジンの燃焼活動から発生する排気を利用しタービンを動かすのに対しスーパーチャージャーは機械的にタービンを動かす。
先ほど直4エンジンのデメリットは初速の非力感と書いたが、スーパーチャージャーはこの欠点を見事に消してくれる。
ターボではエンジン回転数を上げた後に排気によってタービンが回るため初速でその効果を発揮できない。
スーパーチャージャーは非力な軽直4エンジンの欠点を消すためにとられた手法だが、初速だけでなくスーパーチャージャーはターボラグが無いため中間加速でも自然吸気のように自然なパワーの出方をするため排気量が単純に上がったかのような印象だ。
スーパーチャージャーのデメリットはタービン回転数が一定のため高回転域では逆にスーパーチャージャーを動かす補器類がパワーロスの一因になってしまうことだ。
ここは初速とのトレードオフと考えるとスーパーチャージャー車を選択した方がストレスは少ない。
ボクは自然吸気のDOHC車に乗っていたがスーパーチャージャー車を選択しておけば良かったと思っている。
上記の理由のほかにスーパーチャージャーのパワーによりアクセルの踏み込み量が抑えられエンジン回転数を下げることができるからだ。
エンジン回転数を下げることができれば静粛性にも有利だ。
660ccの直4自然吸気エンジンでは初速でどうしてもエンジン回転数を上げパワーを確保しなければいけないため多少やかましくなってしまうのだ。


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