【プロフィール】トヨタ スープラ
トヨタ スープラは2019年現在で5代目となっている。
2019年発売のDB型は4代目までのA○○型とは全くの別モノであり実際に4代目と5代目には17年のブランクがある。
ただスープラを名乗る由縁は初代から一貫して続く直6エンジン+FRレイアウト、そしてトヨタブランドでのスポーツフラッグシップのポジションからだろう。
5代目のDB型はエンジン、プラットフォームをBMW Z4(G29型)と共有している点が大きく取り立たされるがトヨタ側、BMW側ですり寄って開発したものではないことは車体をみればわかるだろう。
実際にそれぞれのメーカーにチームが存在し開発途中で共有できるものは共有化を行うというスタンスの開発を行っている。
今回DB型は取り上げない。
過去のトヨタ フラッグシップスポーツのA70型、A80型にスポットライトを当てたい。
特にA80型スープラは2002年に生産を終了してから現在まで15年以上を経てもまったく色褪せていないモデルだからだ。
ロングノーズ・ショートデッキはFRクーペの王道スタイルですが滑らかな曲線とボリュームはありながらスッキリとまとめられたリヤ周りは現在でも目を奪われる。
【メリット①】2JZ-GTE 直6ツインターボの豪快な走り
トヨタのエンジンには名機と呼ばれるモノがいくつかありますが、サウンド・パワーといった点で挙がるのが1JZ-GTEの2.5L直6ツインターボエンジンだろう。
搭載車種はマーク2系3兄弟やクラウン系、A70スープラ、ソアラで1JZ-GTE搭載のX100チェイサー、Z30ソアラは現在でも中古車市場で人気車となっている。
1JZ-GTEエンジンはヤマハ生産でトヨタに供給していたというのも有名な話しだ。
また、このライバルとして挙げられるのは日産GT-Rに積まれるRB26DETTエンジンだろう。
1JZ-GTE、RB26DETTは当時から現在までもどちらが良いかという議論がされ続けている 笑)
A80スープラが積むのは2JZ-GTEになるがこちらは3.0L直6ツインターボエンジンになる。
自主規制の関係で1JZ、2JZともに280psとしているがどちらも1000psにも耐えられるエンジンと言われている。現にゼロヨンレースではこの2つのエンジンは現在でも人気エンジンとなっている。
2019年現在、国産で直6を積むのはDB系スープラしかない。
DB系スープラの直6はBMW製のため純血の国産とは言えない。
最近マツダが直6の開発を宣言したばかりだが、国産の直6が復活するのはしばらく後になりそうだ。
【メリット②】国産初の6MT車
A80スープラには6速MTが設定されていた。
いまでこそ軽自動車のS660にも6速MTが積まれる時代だが、国産初の6速MT搭載車がスープラだった。ミッションはドイツのゲトラグ社とトヨタの共同開発とのことだがほぼゲトラグ社製といってよいと思う。
ゲトラグ社製のミッションということは鋳造ではなく鍛造のギヤによる組み立てと粘度の低いミッションオイルということになるだろう。
さきほど登場した2JZ-GTEを積まれたクルマは2台ある。
A80スープラとトヨタ フラッグシップスポーツサルーンのアリストだ。
アリストはレクサスではGSとなるが、アリストでも6速MTは搭載されなかった。
つまり2JZエンジン+6MTの組み合わせはA80スープラでしか体験できないものだ。
【メリット③】現在でも通用するスタイリング
流れるようなスタイリングが特徴のA80スープラだが、走りの素性を上げるための基本がしっかりと織り込まれている。
FR車であり全長の長い直6エンジンを積むスープラはどうみてもフロントヘビーだ。
対応策としては燃料タンクをリヤトランク下に移動、大型のリヤスポイラーによってダウンフォースを得ている。
現在からみるとやや粗削りな対応策ではあるがフラッグシップスポーツを名乗るだけあり低重心化とワイドトレッド化、前後重量配分にしっかりと対応させている。
この少し粗削りなところがハイパワーなエンジンと相まって魅力を倍増させているのだろうか。
米国では映画ワイルドスピードで主人公が乗った愛機として中古車市場でも大変な高値が付いているようだ。

コメント