【プロフィール】MINI 3ドアモデル
古くはローバーミニ、いまではBMWミニとなりその名は受け継がれているが、前身のローバーミニは1959~2000年までの生産という非常に長いスパンで生産されていた。
BMWミニは2001年から発売され2019年現在は3代目のF56型となっている。
ローバーミニの面影を残しつつもひと回り大きくなった車体はもちろん各国の衝突安全性をクリアしている。
大きくなった車体に嫌悪感を抱かれる方もまだいるようだが、2000年にローバーミニが姿を消さざるをえなかったのも衝突安全性をクリアできなかったためだ。
特に日本は超高齢社会、ストレスフル社会の真っただ中だ。
自分で気を付けていてもぶつけられたら・・を考えるとクラッシャブルゾーンはできるだけ多くとるべきだ。
BMWミニとして2代目(R56)からは初代(R50)からのコンパーチブルに加えて、ロングストレッチ版のクラブマン、2シーターのクーペとクーペのオープンモデルのロードスター、クーペとSUVを融合したようなペースマンとバリエーションを一気に増やした。
3代目ではクーペ、ロードスター、ペースマンが姿を消しミニ5ドアモデル、クロスオーバーが加わっている。
MINI5ドアモデルが発売されても3ドアモデルは健在だ。
当たり前だ。と思われる方も多いかと思うがそうではない。
海外では3ドアモデルを販売しているのに日本では3ドアモデルの販売をしないメーカーが国産メーカーでも少なくない。
それだけ成熟した日本市場で3ドアモデルを販売するハードルは高いのだ。

【メリット①】そもそも3ドアが希少
3ドアハッチバックのイメージが強いミニだが日本車市場をみてほしい。
2019年現在、いやこれからもスポーツ、SUVモデル以外で3ドアが増えることは無いだろう。
以前にシビックでタイプR以外で逆輸入版イギリス製の3ドアモデルを発売したことがあったが、話題にもならずその後の継続販売も行われなかった。
ミニはスポーツ車のジャンルに片足が付いているかもしれないが、ボクはもっとカジュアルなイメージを持っている。
特にミニ クーパーではカラーやルーフ、ボンネットストライプなどカラーバリエーションが格段に広がる。
自分なりのスタイルに、よりカジュアルにミニを楽しむことができる。
しかしこれが4ドアハッチバックのミニならどうだろう。
利便性はあがるがどこか大衆車然としたところが出てきてしまう。
肩肘の張るスポーツ車然ではなくスタイリッシュな3ドアモデルの存在というのはなかなか希少なのだ。

【メリット②】クーパーS or ジョン・クーパーの存在
3代目ミニの3ドア(F56)でクーパーSはスポーツの位置づけだ。
ボディサイズとキャラクターの近いモデルに同じく3代目のスイフトスポーツを挙げるが、クーパーSが2L直4ターボで192ps。
スイフトスポーツ(ZC33S)は1.4L直4ターボで140psを絞り出している。
トルクではクーパーSが280Nmを1350-4600回転で発生させるのに対してスイフトスポーツは230Nmを2500-3500回転で発生させる。
排気量の違いでクーパーSに余裕があるがパワーは排気量比では同等、トルクは顕著でクーパーSは高トルクを幅広い回転バンドで発生できることがわかる。
クーパーSの車重が6MTモデルで1240kgだから余裕のパワーであることがわかる。
(スイフトスポーツは上記で1tを切っているのも驚異的ではある)
ミニ3ドア(F56)ではジョン・クーパー・ワークスが選択できる。
まさにワークスチューンと呼べるもので2L直4ターボを231ps&320Nmまで跳ね上げる。
もはや羊の皮を被った狼という表現がふさわしい。
ジョン・クーパーでは隣に座った女性はあまりの元気の良さにきっと驚いてしまうだろう。
こういったワークスチューン的なモデルは内外装にスパルタンな雰囲気が漂いがちだ。
ミニではジョン・クーパーでもボディーカラーで11色、さらにルーフ&ドアミラーでボディー同色以外にも3色から選べる。
イメージ通りのスパルタンに、またカジュアルに仕上げることもできる。


【メリット③】3ドアである理由はミニらしさ、個性を出すためのひとつ
3ドアである理由はショートホイールベースによるゴーカートフィーリングを得るためではない。
ローバーミニはホイールベースが2000mm少しとショートホイールベースで、かつ硬めの脚によってゴーカートフィーリングと言われた。
BMWミニでは一番コンパクトな初代R50型でもホイールベースが2465mmと、国産でいう軽自動車やコンパクトカークラスと同等の長さだ。
脚の硬さは代を重ねる毎に路面追従型のしなやかな脚となってきている。
現代のクルマはボディ剛性が上がり脚がしっかりと動けるようになってきている。
ドイツ車が特にうまいが、路面をなめるようにサスがしっかりと動くように仕上げてある。
ムリにゴーカートフィーリングを出すために脚を硬くするよりこちらの方が好ましい。
3ドアに話を戻すがショートホイールベースのために3ドアが作られているのでは全くない。
ミニというイメージ、可愛さ、スタイルといった個性を出すために3ドアは欠かせないのだ。
もしいまボクがシングルか子育て完了の夫婦2人ならきっと3ドアモデルを選ぶだろう。
若い夫婦や赤ちゃんがいるような人は3ドアモデルを選んではいけないのでご忠告しておく 笑)


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