一身専属性という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
端的に言うと個人が所有する権利があって他に譲ることができないもの(こと)です。
わかりやすい例だと「会社の会社員である権利」はその人でなければいけませんよね。その人の配偶者や子供では引き継ぐことはできません。
では終活にあたっては何が問題になるでしょうか?
(今回はショート記事です)
ひとつに暗号資産系で中央集権的なアカウントは要注意です。
(読みたくない)利用規約に「一身専属性」という文言があれば要注意です。当人が死亡した場合に権利を失う可能性が高いです。
また、「会員の死亡」という文言で引き継げる等の記載が無ければ、これも当人が死亡した場合に権利を失う可能性があります。
筆者の、あるアカウントでは「死後9日以内に申請があった場合」の記載がありました。
これは事前に家族に話しておかなければ高確率で権利を失うでしょう・・・。
大事なアカウントは前もって調べ家族に伝えておきましょう。
リスト化しておくと良いかもですね。
大前提はスマホ契約を解約しないこと
実は一身専属性よりも大事なことがあります。
大きな前提として故人のスマホ契約、ストレージプランを早々に解約しては絶対にいけません。(させてはいけません)
一身専属性で引き継げるかどうかよりも、故人のスマホが無いと、または故人のスマホの携帯番号が無いと大事なアカウントにアクセスが極端に難しくなる場合が多々あります。
ストレージプランも解約は慎重に
スマホ契約と同じくストレージプランも解約は控えた方が良いでしょう。
例としてiCloudやGoogle Drive、Dropbox、OneDrive、box、Yahoo!ボックスなどがあります。
無料で使えるものもありますが、有料プランに入られている方はストレージプランを解約すると無料データ容量を超える分は削除されることになります。
相続に関する重要なデータだけでなく、家族との思い出なども保存されている可能性がありますので解約は慎重に行う方が良いでしょう。
月々のスマホ料金・ストレージ代は掛かりますが、解約したものを後から戻すのはほぼ不可能です。それを払っても引き出せる資産が眠っている可能性は高いのでリストの最初にこれらを解約しないよう注意書きしておくことは大事です。
また銀行口座が凍結してしまった場合、これらのスマホ契約・ストレージプラン(サブスク等も)が毎月支払いの場合に支払いがストップしてしまい強制解約される場合があります。
引き落とし口座の変更などリストの上位に置き、すぐに対応してもらえるようにしておきましょう。
リスト化の例
リストに盛り込んでおいた方が良い項目がいくつかありますので例として載せておきます。
ある程度まとまったら日付を載せてプリントアウトしておくと解りやすいです。
フリマサイト(ほぼ一身専属性)
メルカリやPayPayフリマ、楽天フリマ、ヤフオク、モバオクなど様々なサイトがあります。
特に注意が必要なところで取引継続中の商品がある場合です。
相手がいることになるので家族が早めに気付かないと大きなトラブルになりかねません。
時間があるのならもちろん出品停止か削除しておく。
万がイチの場合は家族がすぐに対応できるようにリストの優先順位の上にしておくべきでしょう。
バーコード決済(ほぼ一身専属性)
PayPayや楽天Pay、メルペイ、d払い、LINE Payなど故人のスマホの残っている場合があります。
銀行などのように凍結されることはありませんが、先に書いたようにスマホの契約を解約した場合に無効となる可能性が高いです。これは一身専属性の代表的なものでしょう。
PayPayは家族や他人のPayPayアカウントに譲渡できるサービスがありますが、その他では譲渡できないと思いますので健在のうちに譲渡するか使用しておきましょう。
企業ポイント(マイル以外は一身専属性)
マイル(マイレージ)、Hapitas(ハピタス)、モンベルポイントなどがあります。
数多くの企業ポイントがありますが、明確に相続を謳っているのはマイルです。
ただしANAのマイルは「会員の死亡後6ヶ月以内の手続きが必要」とされているため注意が必要です。
その他の企業ポイントはおおよそ一身専属性になるものと思っておいた方が良いでしょう。
今後、規約が改定され相続可能な企業ポイントが出てくるかもしれませんが、こまめに使用しておいた方がよさそうです。
余談ですが、ハピタスをまだ利用されていない方は少しの時間を割くだけでカンタンに10万円以上獲得できますので覗いてみてください↓↓↓
SNS(ソーシャルネットワークサービス)(一身専属性)
Instagram、LINE、Twitter、Facebook、個人ブログなどがあたります。
これらについては直接的に金銭との結びつきは薄いためそのまま放置されがちです。
しかし乗っ取りにより悪用される可能性も少なからずあるため、できればアカウントの削除や追悼アカウント化(死亡したことの連絡)をしておくと安心です。
Facebookの場合は当人の他に、追悼アカウント管理者をあらかじめ設定できるので家族の方をあてておくことができますが、その他サービスではFacebookのような設定項目は無いためパスワードが判らない場合、各サービスへ問い合わせすることになります。
保険(ほぼ一身専属性)
生命保険や自動車保険、クレジットカード保険などです。
生命保険は証書が発行されていることがほとんどだと思いますが、自動車保険はインターネット契約の場合に証書不発行割引などがあり発行されていない場合があります。
リストには、どの保険会社で契約番号は何かを記載しておくと親切です。
プリントアウトしクラウド上に保管しておかなければID、パスワードなども記載しておいても良いでしょう。
余談ですが、自動車保険では保険の相続ではありませんが無事故等級を家族に移行できます。
等級が上限の20等級の場合には50%近く保険料が割引になるので移行しておきましょう。
下記の記事は、同じく等級を引き継げる中断証明書について書いています。参考にどうぞ↓↓↓
銀行(相続可)
ネット系保険は銀行通帳が発行されていない場合がほとんどだと思います。
また、最近では大手銀行でも新規開設者の通帳不発行や通帳に対して発行手数料を徴収するところも出てきました。
引き落とし口座などはわかりやすいですがその他口座の存在はどうでしょうか?
家族に把握してもらえるようリストに記載しておきましょう。
前述のようにプリントアウトし保管できるのであればID、パスワードなども記載しておいても良いでしょう。
証券(相続可)
NISAやiDeCoなど家族と共有していますか?
手数料の安いネット証券では基本的に証券の発行がありませんので、これもリスト化しておくと親切です。
その際に、NISA口座があることや自動積立があるなどメモ欄をつくって記載しておくとなお良いです。
暗号資産(ウォレットには一身専属性の概念なし)
まず取引所サービス内にある暗号資産と、ウォレット内にある暗号資産扱いは全く異なります。
bitFlyerやBITPOINT、GMOコインなどの取引所サービス上にある暗号資産は、前述の証券と同じような手続きとなります。その際に取引所によっては現金交換となる場合があるようです。
ウォレットの場合、様々なウォレットがあり代表的なものにMETAMASKやSafePalなどがありますが、ウォレット使用のみの場合は氏名など個人情報を登録することはありません。
秘密鍵(プライベートキー)とパスワード(ニーモニックキー)による自主管理になります。
ウォレットを所有している場合はリストにどのウォレットを所有しているかは記載しておきましょう。
ただし秘密鍵とパスワードは絶対にクラウド上ではない場所で保管しておきましょう。
おすすめのリスト化方法
Excelやスプレッドシートなどでリスト化しておくと分かりやすいですが、もうひと手間。
メインブラウザのブックマークにまとめておくと親切です。
自分が管理しやすいというメリットもあります。
ブックマーク(できればフォルダ毎に)しておくと、家族はリストとブックマークのリンクを照らし合わせ調べることができるので便利です。
リストには日付も載せておきどれが最新のモノかもわかるようにしておきましょう。
今回も記事をお読みいただきありがとうございます。
不明点、質問等があればcontactからお願いします。
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